現在「アリエク転売」で最も多い手口が、輸入代理店を使った「商品転送」です。
これは「輸入品せどり」の常套手段で、販売者が海外ECで安く仕入れた(購入した)商品を、輸入代理店を中継して、購入者に直接送る方法です。(いわゆる無在庫販売という奴)
これを悪用すれば、海外(中国)からの輸入ルートや出荷元(商品の入手元)を隠ぺいし、国内から出荷したように見せかける事が可能です。とりわけ「詐欺販売」の場合、配送伝票上の「送り主」は偽装されている事(フェイク)がほとんどで、犯人の「足が付かない」ようになっています。
その具体的な手口は…、
1)購入者から注文が入ると、販売者は「商品を海外ECで購入」する(仕入れる)。
2)海外ECから日本の「輸入代理店」に商品(荷物)が発送される。
(※商品輸入:商品が日本に届くまで、通常1週間~半月ぐらいかかります)
3)日本に届いた商品(荷物)を「輸入代理店」が空港で引き取る。
4)輸入代理店が引き取った荷物に「購入者宛て」の配送伝票を貼りつけ
「国内の配送業者」に引き渡す。(※商品転送)
5)輸入代理店から「転送手続き完了(送り状番号)」の連絡が販売者に入る。
6)連絡を受けた販売者は、購入者に「商品発送(送り状番号)」の通知を送る。
(※これがウソの発送連絡になります)
7)発送通知から数日で、国内の配送業者から購入者の元に商品が届く。
といった具合です。
ご覧頂ければ分かる通り、海外から発送された商品は、販売者の手元を一切経由する事はありません。
これで商品転送のカラクリがお分かり頂けたでしょうか…?
購入者は、商品が届くほんの数日前に販売者から「発送連絡」を受け、まるでその時「はじめて商品が発送された」かのように思わされてしまいますが、実際は、購入者が商品を購入した数時間後には「すでに海外から商品発送済み」という訳です。
一番の問題点は、購入者の個人情報が「無断」で「輸入代理店の手に渡っている」という事です。
そうなると、詐欺販売者と代理店はグルではないか…?と考えられる訳ですが、その真相はまだ明らかではありません(スミマセン)。輸入代理店の手に渡った個人情報が、これ以上「悪用」されていない事を祈るばかりです…。
商品輸入にかかる時間のごまかされ方
販売者によって「海外ECで購入された商品」は、日本に輸入されるまで時間がかかります。
中国からだと早くて1週間~10日前後、自分の経験では平均2~3週間といった所ですが、繁忙期など配送事情が悪いと、軽く1カ月以上かかる事もあります。
詐欺販売者が、購入者に「商品発送」の連絡するのは、商品荷物が日本の空港に届き「輸入代理店が転送手続きを済ませた後」になります。この間に発生する「ブランク(時差)」をごまかすのに、とりわけ「ハンドメイド商品」というのは大変都合がよろしい訳で、たとえば
・注文を受けてから制作するので「商品発送」まで日数がかかります。
(→本当は輸入に日数がかかるだけ)
・注文が混雑しているので、通常より時間がかかります。(→本当は配送事情が悪いだけ)
といったウソが功を奏すという訳です。…何とも卑劣ですね!
輸入配送品だと分からない理由
また購入者の元に届いた荷物には「国内の配送業者」の配送伝票しか貼られていないため、伝票上の送り主が「日本国内の個人や店舗(企業)」となっていた場合、「海外(中国)から輸入配送されてきたもの」という事が一切分かりません。
海外通販の経験がある方はご存じかと思いますが、通常、輸入された荷物には英語の配送伝票やインボイスなどがベタベタと貼ってあります。これがあれば「輸入配送品」だとすぐに気づくのですが、輸入代理店を中継して転送された荷物には、そういうものが「一切ありません」。
何故なら代理店は、他の輸入品と一まとめにシュリンク(梱包)された「荷物の塊」や「コンテナ」で荷物を受け取るからです。なので、その中の「個々の荷物」の表面は「真っ新」という訳です。そこに代理店が用意した「各購入者宛て」の「国内配送業者の配送伝票」が初めて貼られる事になります。
だから、それを受け取った購入者は「国内から配送されてきたもの」だとすっかり騙されてしまう、といった寸法です。
輸入代理店による商品転送の暴き方
代理店による荷物の転送手続きは「空港内」で行われます。こういった転送商品の場合、荷物の「配送履歴」を調べると、受付が「○○空港○○オペレーションセンター」といった名称になっている筈です。
荷物の「配送履歴」は、荷物を運んできた配送業者ホームページの「荷物お問い合わせ」などのページで「送り状番号」を打ち込めば出てきます!
また上記のような集荷先は、通常「一般人が利用できる場所ではない」ため、配送伝票上の送り主が何者であれ、空港の名前が出た時点で「代理店の転送機能を使った荷物」だという事が分かります。
特に関西空港は中国製品の「輸入窓口」となっているため、「関空」の名前が出たら「中国からの輸入品」だという事が推測できますし、この場合フェイクの送り主情報も「大阪周辺」となっている場合が多いです。…迷惑な話ですね!
もし、あなたの荷物の「代理店中継」の確証を得たいなら、荷物を運んできた配送業者へ直接問い合わせしてみましょう!
事情を説明すれば「誰が配送手続きをしたか」ざっくり教えてくれると思います。ただし、代理店などの中継者が判明したとしても「そこへ直接連絡」する事は避けて下さい。中継者が詐欺販売に加担している可能性もありますし、それ以前に代理店なら「顧客情報保護」で何も教えてくれないと思います。
送り主情報の調べ方
もし、その販売者がサイト上で「海外(在住、作家、出品者など)」と名乗っているにも関わらず、伝票上の送り主が「日本国内の個人や店舗(企業)」となっていたら、この送り主情報は「フェイク」である可能性が大、という事になります。
まずは商品を購入した販売ページに戻って、販売者の連絡先が記載されているか再確認しましょう。
多分記載されていない場合がほとんどだと思いますが、記載されていた場合「送り主情報と一致しているか」確認してください。一致していなければ「虚偽」あるいは「中継者がいる」という事になります。
次に配送伝票に書かれている「送り主(名前、住所、電話番号)」をネットで「軽く」ググってみましょう。特に住所は「マップ検索」でウソが明らかになる事が多いです。
もしここで「輸入代理店」の名前が出てきたら、海外から輸入配送されてきた荷物で「確定」となります。販売者の商品説明や配送説明と合っていなければ、クレームをつける事ができますね。
どちらかというと、何も分からない場合が多いと思いますので、しつこく調べ過ぎませんようご注意を。(時間の無駄になります!)
いかがでしょうか?
最後に、もし荷物を調べて「輸入代理店の介在」や「送り主の偽装」が分かっても、そちらに直接連絡をする事だけは控えてくださいね!
あくまで問い質す相手は「販売者」だけにしてください。
これが危険回避の最良手段です!
現状では、輸入代理店が詐欺販売者のグルなのか?ただ悪用されているだけなのか?全く解明していません。判明次第こちらのブログにも追記したいと思います。
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