「せどり」とは?

アリエク転売

このブログでも「輸入品せどり」とか「せどりビジネス」とか、ちょくちょく登場する言葉ですが、
そもそもこの「せどり」とはいったい何か?について、分かりやすくご説明したいと思います。
「アリエク転売」にもつながる話なので、ご存じの方も是非ご一読を。


本来「販売業」というものは、売り物となる商品を自分で製造したり「問屋」から仕入れたりして、商売の規模に応じた数量の商品を「先に確保しておく」必要があります。これが「商品在庫」です。
すると、この商品在庫を保管するための「倉庫」や「店舗」が必要になってくる訳ですね。
そうなるとこの「倉庫」や「店舗」を確保できないと商売ができない、というのが販売における「通常セオリー」でした。

ところがインターネットの普及により、このセオリーが良くも悪くも「崩壊」する事になります。

まずは「ネットオークション」などのC2Cサイトの登場により、古物商許可証のない個人でも「中古品」の販売(※正しくは不用品を売る事)が簡単にできるようになりました。
オークションサイトではそのうち、入手しにくい限定商品や興行チケットを「転売」目的で購入する出品者や(社会問題になりましたね)、クレジットカードで購入した「新品商品」を現金化目的で出品する人が出没しはじめました。

それでも始めの頃は、先に「商品を確保してから」出品する、という手順があった訳ですが、
ネットが一般普及し「ネット通販」の利便性が上がってくると…

・ネットで購入した商品をそのまま取引相手に転送する(購入時に配送先を変更する)
・まだ発売されていない「予約商品」にあらかじめ「高値」をつけて出品しておく

といった出品者や転売者が増加しはじめました。
これが「ネットせどり」のはじまりです。(ネットせどり出品者を「転売ヤー」とも言います)

要するに「せどり」とは「在庫(商品)を確保せず」に行う「転売行為」の事ですが、とりわけ「ネットせどり」に至っては上のような経緯で、あまりいい意味で使われる言葉ではありませんでした

ところが、海外通販(越境販売)のネット網が充実してくると、今度は「海外通販(個人輸入)で安く購入した商品」をフリマで「転売」する出品者が登場しはじめました。
これも昔は、出品者は海外商品を「一旦取り寄せる」必要があった訳ですが、海外通販の利便性が上がった事により、購入した商品をそのまま取引相手に配送する事ができるようになりました。この方法で輸入商品を転売する行為が「輸入せどり」です。

しかし単純に、ネット購入した商品の配送先を変更しただけでは、商品の「出荷元(購入先)」がバレバレになり、購入者とのトラブルが多発する結果となりました。
そこで、輸入転売ヤーが利用しはじめたのが「輸入代行業者」や「輸入代理店」で行っている「転送サービス」です。
海外から届いた商品を、出品者の代わりに代理店が受け取り、取引相手に転送手続きをしてくれるというものですが、これを悪用したのが「アリエク転売」になります。

ところが、こういった「せどり」商売が問題視される一方、
必要なのはパソコンやスマホ1つだけ、創業資金や倉庫や実店舗がなくても、誰でも簡単に「商売」が始められる…!といった事から、
近年「せどり」を生業や副業とする人が激増し(コロナ禍の影響もありましたね…)世間ではいつの間にか「販売ビジネス」の1モデルとして市民権を獲得してしまった、という訳なんです。

krow
krow

「せどりビジネス」で検索すると指南ブログやらがわんさか出てきますよw

特に中国製品は「せどり商品」としてバイヤー人気が高いため、中国系の輸入代行サイトでは「せどりビジネス」を後押しするサービスが充実しており、B2C向けの海外ECサイト(タオバオなど)でより安く商品を仕入れる事ができたり、最近では「OEM製品」を作るサービスなどまであります。
※OEM製品:タグを付け替えたりする事でオリジナル商品に仕立てた既製品の事。

結局、商品の仕入れ先である「問屋」が「ECサイト」にすり替わっただけで、最終的に「購入者の不利益に繋がるような販売」でなければ全然ありでしょう!という話になった訳です。

これが最近「せどりは違法行為ではない」(無在庫販売)と言われるようになった所以ですが、これを模したグレーな販売も多々見受けられるのが実情です。
きちんとビジネスとして行っている人はB2Cサイト出店、グレーな販売はC2Cサイト出品が多いと覚えておきましょう。(もちろんどちらもその限りではありませんが)

●海外転売ヤーにご注意!

ここでもう一つ、問題になってくるのが「海外転売ヤー」の存在です。
多分最近の「アリエク犯」は、この「海外転売ヤー」が主流になりつつあると思います。
つまり海外出品者(販売者)の事です。

ネット犯はただでさえ検挙しにくいと言われている訳ですが、これが「海外在住者」ともなればなおさら。
…日本の組織犯がわざわざ海外に拠点を設けたり、ネット犯は必ず海外サーバを利用するぐらいですからね。
アリエク犯もそれをよく承知の上で詐欺販売を行っている「卑怯者」なので、外国人でも出品できるC2Cサイトなどは特に注意が必要です。

私のケースでは、最終的に「出品者の本人確認が取れている」と言われ、違反報告を棄却される結果で終わりましたが…とすれば出品者は「商品を製造した国の人間」の筈です。(運営事務所からはそれすら教えてもらえませんでしたが!)
どちらかというと「せどり詐欺」は個人で行うような「小規模犯罪」だと思うのですが、私のケースではかなり「用意周到」に見受けられたため、どうにも裏で手引きしている人間がいるような気がしてならない…といった印象でした。(少なくとも販売ページで応対した人はバイトの日本人か留学生だと思います)
いづれにせよ、地元商品を使って海外日本で詐欺販売…をするなど、自分の国を自分で貶める非常に残念な行為に思えるのですが、(それ以前に国際犯罪ですよ!)まあ単純に「胸糞悪い」話である事は確かですね。


いかがでしたか?
それがどのような商品でも「適正価格・適正手段」で、製造国など詳細がきちんと説明されていて「購入者の不利益に繋がらない」販売であれば問題ない(商売として成立する!)と思います。
しかし、アリエク転売も含めたそうではない「グレーな販売」が、特にC2Cサイトには多々紛れ込んでおり、それを取り締まらない「いい加減なC2Cサイト」も実在しますので、皆さんにはくれぐれもご注意頂きたい!と思います。

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