FUNAI(船井電機)が破産したというニュースを聞いてがっかりしている管理人です。
海外向けOEM製品を主軸に、国内向けにはリーズナブルなテレビや録画器などを提供していた老舗の家電メーカー。うちにもFUNAIのブランド製品(DX BROADTEC)のビデオデッキが健在しておりますw。使い勝手がいいので、数年前に中古美品をわざわざ買い直してしまったぐらいで。
FUNAI製品は、お高い大手メーカー製品には手を付けられない低所得者層にとって「救世主」のような存在でした。
低スペックなりにしっかり設計されていて「基本機能だけがあれば十分」という人には、申し分のない秀逸品ばかりだったのです。
人目を惹く斬新さや派手さはないけど、デザインは決して安っぽくないし、頑丈で壊れにくい(単純機能故の利点が設計で生かされている)し。
かつて外国人に「ジャパンアズナンバーワン」と言わしめた、団塊世代の努力と細やかな国民性が集約されている、そんな「地味だけど良い製品」を作り続けていた国内中小家電メーカーの代表格でした。
ヤマダ電機が後ろ盾についていてくれたのに(涙)…こういった「日本の誇り」とも言える企業がなくなってしまうのは、本当に残念でなりません。
それもその筈「スマホ」の普及により、FUNAIの十八番だったテレビや録画器の需要が激減してしまったからです。
また格安中国製品の台頭により、需要が「掻っさらわれてしまった」という、日本の輸出産業全体にとって痛々しい時代の流れもありました。
FUNAIの退陣劇には他にも様々な要因があったようですが、国内でもデザインや遡及力・製造コスパ重視の(私に言わせれば貧弱な)家電製品が増える中、地道に誠実なものづくりをしていた事が逆風になってしまったのかもしれません。
私の様な「相変わらず低所得層」が、安い家電製品を求めて検索すると、もはやそのほとんどが中国メーカー製。
中国製品も年々品質が良くなってきている事は確かなのですが、それらは基本「欧米向け」に企画されており、日本人の感覚や感性に今一つマッチしない…というのはやむを得ない所。一応「初期保証」が付いていると書いてあっても、ただのはったりで機能せず「結果的に捨てるしかない」という事が多く、ロット不良品にでも当たったら最悪(という事が実際多い)。国内拠点のないメーカー製品には特に注意が必要です。
やはり日本人が日本人向けにつくった製品が、私達日本人にとって「最適」で「安心」である事は間違いありません。
しかし今や国内には、中国OEM製品があらゆる形で浸透しており、国内メーカー品だと思ったら実は中国メーカーのOEM製品だった…という事もままあります。
例えばニトリやカインズなどの「自社ブランド」家電製品によく見られるのがそれです。
それが正規のビジネス手法によるもので、販売企業のメーカー保証がしっかりついているものなら全く問題ありませんが、現在はそれを装った「転売ビジネス」が沢山あるので、皆さんには注意して頂きたい所です。(さらにそれを装って放置されているのがアリエク転売をはじめとする転売詐欺ですよ)
本来こういったものは、国内のOEM産業で循環するのが一番理想的だと思われるのですが(昔はそうじゃった)、長期不経済でこれに関わる多くの日本企業が倒産してしまった事が、中国製品の乱入を許してしまったという事なのでしょう。
元々、国内メーカーが企画した製品を「中国の工場で造らせた」という意味であった「MADE IN CHAINA」が、今や「中国メーカーが造った(OEM製品)」に取って代わりつつあるようです。もはや昭和の高度経済成長期と訳が違いますからね…。
FUNAIがしていた事はこの逆で、かつて「MADE IN JAPAN」を世界に広めた企業のひとつだったという訳です。
やむなき時代の流れとはいえ、それがこんな形でロストしてしまうのは、どうにも合点がいきません。
同じ思いの政治家が、何やら動きを見せているようですが…。
海外ECサイトの宣伝バナーを貼り付けている(一応、転売詐欺対策が目的です^^;)>人間が、あまり言えた義理ではありませんが、やはり日本人なら日本の商品を買って日本の産業・企業を応援しなければなりませんね…。
問題はこう言った製品が、大手メーカー製品や中国製品に埋もれてしまって「目立たない」という所でしょうか。何とかできんのか。
微力ながら私も、今後はもっと意識して(一応昔からやってるんですけどね;)日本の中小メーカー製品を買うように心がけたいと思います。
無くしてから「惜しい企業を…」と嘆いても遅いですからね。
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